英語の筆記体での表記の下にカタカナを書く事で有無を言わさない感じである。
英語でしかも長いのに恥ずかしさがあまり感じられないちょっとレアな物件。
フラックス。多分フラックス。郵便屋が来たら一瞬わからないのではないか。
ローマ字なのか、その文字がどこで切れるのかわかりにくい。このマンションに郵便物を届ける最良の方法は、同じロゴを住所欄に書く事だ。
表記を見る限りはフランス語だろうか。まことにどうでもよい。フルーレって全く意味わからないけど住所に書いても案外恥ずかしくない。
全てはこの名前の短さのおかげだ。
フレール。こんなに短い単語なのに意味がわからない。しかしいかにもありそうな名前。何ておさまりのいい響き。
意味がわからないのに恥ずかしくない。いや、だからこそか。
ローマ字表記の下にカタカナで名前を書いてくれるのは親切だが妙なこだわりを感じる。「ェ」とか「ァ」に。これ住所に書かないといけないのか。
どうせなら知らないふりをして「フロリデッザ」とでも書きたかったのに。釘を刺された。
ここに住んでる人たちは「フロンティアスピリット」とかそういう単語が出てくる度に何ともいえない気分になるはずだ。
このマンション内でコミュニティができてたら面白いけどな。回覧板まわすような。自警団とか組んで近所の見回りとかしたり。
「フロンティアスピリッツを見せてやろうぜ!」とか言うのかもしれない。大和魂みたいなもんか。体育祭かよ。まあないだろうけど。
むやみやたらと高級っぽい名前をつければいいとでも思っているのか。意味を調べる気すら起きない。
そしてフローレンスとパレスがどちらも「ス」で終わっているところが妙に恥ずかしい。自分の住所で韻を踏まされる悲しさ。
ブルーグラス。音楽のジャンルか。
住所に書くとしたら恥ずかしいと恥ずかしくないの境界線上にいるのではないだろうか。ブルーグラス。
またしても松涛であるが、何だか微妙である。プエルタ。全ての原因は「プ」にあるのは誰でもわかるだろう。
何が微妙かっていうと、Jリーグの新チームの名前になりそうなところ。
この名前を自分の住所として全部書くのは全裸で街を練り歩くぐらい恥ずかしい。
まあそういうのが全く恥ずかしくない人もいるだろうけど。プチ.マンションとか書けないっす。恥ずかしくて。
しかもこれを何とか省略したとしてもプロヴァンスだ。「ヴァ」はまだ日本人には恥ずかしすぎると思う。